Japanese
English
特集 切断と義肢―最新の臨床
小児の義肢
Application of prosthesis in children.
芳賀 信彦
1
Nobuhiko Haga
1
1東京大学リハビリテーション医学
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo University
キーワード:
小児切断
,
四肢形成不全
,
義肢
Keyword:
小児切断
,
四肢形成不全
,
義肢
pp.537-540
発行日 2013年6月10日
Published Date 2013/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110140
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はじめに
四肢切断全体に占める小児の割合は,高齢者の循環障害による切断の増加もあり,以前に比べ減少している1).小児が義肢を装着する適応には,先天性切断,これ以外の四肢形成不全に対する手術による切断,外傷や腫瘍などに対する後天性切断があり,先天性と後天性の比率は2:1である2).先天性切断を含む四肢形成不全の頻度は,カナダのBritish Columbiaの統計では10,000出生当たり5.97で,うち上肢が75%,下肢が25%となっている(表1)3).日本に関しては,クリアリングハウス国際モニタリングセンター日本支部による2005~2009年のデータがあり4),死産を含む10,000出生中,多合指症など軽度の形成不全を除く四肢形成不全は3.79であり,前述のカナダのデータで手指・足趾を除いた数よりやや少ない.後天性切断の75%は外傷,25%は腫瘍その他によるとされる5).小児に多い悪性骨腫瘍については,手術技術や術前後に行う化学療法などの進歩により,生存率が上昇しただけでなく,患肢温存手術が増え切断術は減少している6).
ここでは,小児の義肢に関連する最新の臨床として,日常生活動作(activities of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL)の評価に基づく下肢形成不全の治療法の選択と,上肢形成不全の治療の進歩について記載する.
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