Japanese
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研究と報告
精神障がい者の早期離職に影響を及ぼす要因に関する研究
Study on the influence of early employee turnover for persons with mental disabilities.
福井 信佳
1
,
高畑 進一
2
,
田川 精二
3
,
保坂 幸司
3
,
中山 広宣
4
,
西川 智子
2
,
橋本 卓也
5
Nobuyoshi Fukui
1
,
Shinichi Takabatake
2
,
Seiji Tagawa
3
,
Kouji Hosaka
3
,
Hironobu Nakayama
4
,
Tomoko Nishikawa
2
,
Takuya Hashimoto
5
1関西福祉科学大学保健医療学部リハビリテーション学科
2大阪府立大学総合リハビリテーション学部
3NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク
4九州医療スポーツ専門学校
5大阪保健医療大学保健医療学部リハビリテーション学科
1Faculy of Allied Health Science, Kansai University of Welfare Sciences
2School of Comprehensive Rehabilitation, Osaka Prefecture University
3NPO JSN -Job Support Network-
4Kyushu Medical Sports Vocational School
5Faculty of Allied Health Science, Osaka Health Science University
キーワード:
精神障がい者
,
就業
,
離職
Keyword:
精神障がい者
,
就業
,
離職
pp.461-469
発行日 2013年5月10日
Published Date 2013/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110114
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要旨:〔目的〕本研究の目的は,精神障がい者の早期離職に影響を及ぼす要因を明らかにすることである.〔対象〕調査対象は,大阪府において精神障害者保健福祉手帳を所有している者または医師の診断書,意見書などにより精神障がい者であることが認定された者のうち,発病後の就業経験を有する179名である.〔方法〕50項目のアンケートによる方法を用いた.分析方法は,対象者を早期離職群と長期就業群に群分けして,多変量解析を行った.〔結果〕早期離職に影響を及ぼす有意な要因として,「統合失調症」「採用形態(正社員)」「仕事上の相談者の有無」が抽出された.有意ではないが棄却しがたい要因として,「発病前の仕事が専門的である」「開示の有無」「仕事の困難さ」が抽出された.〔考察〕早期離職を抑制するためには,雇用者が統合失調症の特異性を理解するための支援体制,入職後の適応困難が予測されるため,入職の準備段階から生活と仕事を含めた包括的支援体制が必要であることが考えられた.対象者にとって雇用条件や労働環境に恵まれた就業支援が整えば,障がいを開示することの有効性が増し,自己の価値観の獲得や労働意欲の向上につながり,離職の悪循環を断ち切ることができると考えられた.
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