Japanese
English
特集 発達障害のリハビリテーション
治療の実際
Therapy for developmental disorders.
宮尾 益知
1
Masutomo Miyao
1
1独立行政法人国立成育医療研究センターこころの診療部
1Department of Psychosocial Medicine, National Center for Child Health and Development
キーワード:
学習障害
,
広汎性発達障害
,
注意欠陥多動性障害
Keyword:
学習障害
,
広汎性発達障害
,
注意欠陥多動性障害
pp.13-16
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109980
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はじめに
児童精神神経領域において,1997年ごろまでは不定愁訴,不登校,不安/恐怖,転換症状,習癖,摂食障害などが多い主訴であった.1998年以降は,こような症状は少なくなり,むしろ落ち着きがない・興奮/衝動性が高い・友だちが作れない・知的レベルに学業成績が伴わないなどの発達障害としての症状を主訴として受診することが多くなった.
われわれの診療は,このような主訴に対して4つの観点から子どもを評価・診断し治療を構築している.① 本来備わっている資質すなわち,発達障害かどうか.② 育ってきている養育環境,すなわち両親のもつ資質などの環境要因と子どもとの相互の関係性,すなわち家族機能.③ 成長の過程で学校などの社会との関係性のなかで獲得し成熟させていく発達.④ 思いがけず出会うさまざまな出来事や人とのかかわりであり,社会的成熟やトラウマ.このような多面的に子どもをみることから診療が始まるが,リハビリテーションに求められるところは ① であろうと思われる.
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