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増大特集 新・リハビリテーション技術
障害編・その他
障害者スポーツ:チェアスキー・ソルトレークモデルの開発
Development of the chair-ski Salt Lake Model.
田中 理
1
Osamu Tanaka
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
1Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
障害者スポーツ
,
スキー
,
パラリンピック
Keyword:
障害者スポーツ
,
スキー
,
パラリンピック
pp.1341-1345
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109951
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はじめに
チェアスキーは,車いすの障害者が一般のスキー場でごく普通に一緒にスキーを楽しめる世界を実現するという考えのもとに,脊髄損傷者を対象にして開発した,座って滑るアルペン用のスキー用具である.1776年の当初の開発から26年を経過したが,1992年の4棒平行リンク・サスペンション機構の導入により,チェアスキーヤーが自らリフトを利用できるようになり,一般のスキーヤーと共存できる楽しいスポーツとして成立するようになった.
一方,障害者スポーツの競技スポーツ化の潮流はチェアスキーにも押し寄せ,1988年のインスブルック・パラリンピック大会でチェアスキーが正式種目(国際的呼称としてはアルペン・シットスキーという)に採用されたことから,その後の開発にはパラリンピックを頂点とする競技スキーの存在が大きな影響を及ぼすようになった.競技スキーでは,当然のことながら機械の性能の優劣が勝敗を左右し,いかに優れた機械を提供できるかが勝負の分かれ目になる特徴をもつ.そのため,長野パラリンピック大会を控えた1996年から,本格的な競技用チェアスキーの開発に取り組むようになった.
本稿では,このような流れのなかからソルトレークシティ・パラリンピック大会を目指して開発した最新のチェアスキー・ソルトレークモデルについて,どのような工学技術を応用し,どのような結果が得られたのか,その概要を述べる.
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