Japanese
English
紹介
失調評価としての反復ペグ棒移動テストの考案
The repetitive peg stick moving test as an evaluation of ataxia.
佐藤 亙
1
,
内潟 雅信
1
Wataru Sato
1
,
Masanobu Uchikata
1
1公立昭和病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Showa Public Hospital
キーワード:
失調
,
協調運動障害
,
反復ペグ棒移動テスト
Keyword:
失調
,
協調運動障害
,
反復ペグ棒移動テスト
pp.269-272
発行日 2002年3月10日
Published Date 2002/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109717
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はじめに
失調例への協調性テストには,線引きテスト,鼻指鼻テスト,反復交互動作テストなどがよく用いられるが,主観が入る点で定量的評価としては十分とは言えず,東京大学リハビリテーションセンター開発の記録用紙を用いた協調性テストも,重度失調例では実施困難な場合がある.また,特殊装置使用の定量的手法もみられるが,簡便性の点で誰もが利用できるとは言えない.
今回,作業療法士にとり治療用器具として使用頻度の高いペグ棒に注目し,椅子座位にて空間でペグ棒を持ち,30秒間の努力性反復移動を課すことで試行精度をあげ,小脳失調にみられる測定異常,運動分解,共同運動不能,反復変換動作障害などに伴う上肢・手指の協調運動障害への評価としての有用性を検討した.
反復ペグ棒移動テスト(以下,反復テスト)は,その簡便性に加えて,時間と回数といった量的尺度(間隔尺度)を用いたことから,統計処理上有益な評価法と言えるだけでなく,症候の経時的変化の追跡にも有用と考えた.
本テストの妥当性に関しては打点テストとの関係から検討したが,以下で結果を報告し考察を述べる.
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