紹介
移動用椅子の考案
山形 裕昭
1
1神奈川県立ゆうかり園
キーワード:
脳性麻痺
,
車椅子
,
訓練
Keyword:
脳性麻痺
,
車椅子
,
訓練
pp.1007-1008
発行日 1975年12月10日
Published Date 1975/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103448
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- 文献概要
車椅子は肢体不自由者にとって切っても切れないものであり,その効用は日常動作の改善,心理的安定による自信の獲得など多岐にわたっている.一方,訓練用椅子(いわゆるrelaxation chair)は一定の所に坐して体幹を安定させ,頸部,上肢の動きを引き出すのに役立っている.
しかし,重度上肢障害者にとって車椅子は動かせないし,訓練用椅子は,坐ることはできても上肢動作は思うにまかせない.脳性麻痺(以下CPという)の重度障害の場合には頸部が不安定なことが多く,その結果,目と手の協同動作(eye-hand coordination)が不良となり,CPM(Cognitive Perceptual-Motor Behavior),すなわち認識・知覚などの発達が非常に遅れたり,歪みがおきるといわれている.正常児では,これらの認識・知覚などは母親におむつを換えられたり,寝返りや体位を変えられたりすることにより発達する.したがって,ねがえりも困難な重度児では,これらの発達がむずかしいことは,当然考えられる.
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