Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「リリイ・シュシュのすべて」―結局,現実と向き合わねばならない
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.89
発行日 2002年1月10日
Published Date 2002/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109676
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映画館の観客の反応というのは通常笑うとか泣くということになるはず.しかし,友人から強く薦められて観た「ウォーターボーイズ」(監督/矢口史靖)は,歓声が上がるのだからたしかにすごい.観る人を元気にさせる評判どおりの作品だ.男子高校生がシンクロナイズドスイミングにとりくむシンプルな物語なのだが,シンクロ演技のバックに流れる曲の大半が60年代のいわゆるオールデイズ.やはり,60年代ものは明るくて元気だ.67年生まれなのにそのことを知っている矢口はエライ.たとえて言うなら,60年代は午前10時の明るさ,70年代は午後2時の明るさで,80年代は夜にはなったがネオンぎらぎらの明るさ.90年代は夜から夕方に戻ったが静かな里の秋の風情.そして,今はネオンも星もない夜なのだ.
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