Japanese
English
研究と報告
吃音の変動とストレスおよび気分・感情の変化との関係についての検討
A study in the relationship between fluctuations on stuttering and changing the daily stress, and moods.
見上 昌睦
1
,
樋口 貴子
2
Masamutsu Kenjo
1
,
Takako Higuchi
2
1福岡教育大学障害児教育講座
2福岡教育大学障害児教育教員養成課程
1Department of Special Education, Fukuoka University of Education
2Training Program for Special Education Teacher, Fukuoka University of Education
キーワード:
吃音
,
成人吃音者
,
ストレス
,
the Daily Stress Inventory(DSI)
,
日本版POMS(Japanese-edition Profile of Mood States)
Keyword:
吃音
,
成人吃音者
,
ストレス
,
the Daily Stress Inventory(DSI)
,
日本版POMS(Japanese-edition Profile of Mood States)
pp.67-72
発行日 2002年1月10日
Published Date 2002/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109668
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はじめに
吃音に変動性(周期性)があることは知られているが,そのメカニズムについては明らかではない.
吃音の悪化と持続におけるストレスの影響の研究には,長年多くの関心がもたれてきた1,2).先行研究には吃音とストレスに関係する以下2つの仮説,1)吃音者のストレスはコミュニケーション活動時にのみ関係する3),2)吃音者のストレスは主要な一般化されたストレスパターンの一部である4,5),がある.
Brantleyら6)は“The Daily Stress Inventory”(以下,DSI)を開発し,周期的な変動性のある病気・障害の症状は日常ストレスと関連することを報告した.Bloodら7)は,DSIを用いて日常ストレスと吃音との関係を検討し,吃音者が高ストレス状態である時に非流暢性が増加することを報告した.
本研究ではDSIを用いての吃音者の日常ストレスの評価に加え,日本版POMS(Japanese-edition Profile of Mood States,以下,J-POMS)8)を用いて気分・感情を評価し,吃音の変動との関係について検討したいと考えた.
以上を踏まえ,本研究では成人吃音者を対象として,吃音の変動と日常ストレスおよび気分・感情の変化との関係について検討することを目的とした.
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