巻頭言
ITとリハビリテーション考
川関 和俊
1
1東京都立多摩総合精神保健福祉センター
pp.689
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109549
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情報技術の革新は,他の技術革新と同様に,障害者の自立を支援するためにさまざまに役立ちうることには誰も異論のないところだろう.精神科領域では,電話相談ではかつては家族が電話をかけてくるほうが多かったが,私どもの精神保健福祉センターを例にとると5年位前から逆転し,本人から電話のほうが多くなってきた.これにはさまざまな要因があるだろうが,携帯電話等の通信手段が普及し,より気軽に,家族などの周囲にも気兼ねせずに電話ができるようになったこととも関係がありそうである.「ホームページで見た」と電話をかけてくる人も徐々に増えている.また,対人関係がうまく結べずに閉じこもりがちの患者が,デイケアや作業所などにはなかなか通えなくても,インターネットによって患者同士あるいはスタッフとの交流を続け,そこから立ち直りのきっかけを得ることもある.
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