学会報告
第32回東海リハビリテーション懇話会―2000年4月21日(金),於:サマニアンホール(八神製作所多目的ホール)
梶原 敏夫
1
,
万歳 登茂子
2
1藤田保健衛生大学七栗サナトリウム
2和田内科病院
pp.388
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109480
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1.多発性脳梗塞に対する運動療法―パーキンソニズムを呈する症例に対する歩行訓練
国立療養所東名古屋病院附属リハビリテーション学院 外山治人
多発性脳梗塞の臨床症状として,仮性球麻痺・痴呆・血管性パーキンソニズム・両側性錐体路障害などが挙げられる.その中でもパーキンソニズムを呈する症例は麻痺や痴呆などの症状が加わり,歩行訓練を行ううえで苦慮することが多い.多発性脳梗塞によるパーキンソニズムの症状のタイプは,パーキンソニズム徴候に麻痺が加わるタイプと麻痺は見られずパーキンソニズム徴候が主であるタイプの2つに大別されると思われる.後者に対する歩行訓練はきっかけ動作を用いるなど,パーキンソン病に行う訓練法と同様に行えばよいと思われる.これに対し前者に対する歩行訓練は,パーキンソニズム徴候に麻痺の要索が加わるので,麻痺に対する訓練法とパーキンソン病に行う訓練法を並行する必要がある.また,両タイプともに痴呆が加わると訓練法を理解・実施できないこともあり,訓練の進行や病棟・家庭での歩行指導に支障を来すことが多いので,繰り返し訓練方法を指導するなどの配慮が必要である.
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