学会報告
第29回東海リハビリテーション懇話会―1998年10月30日(金),於:サマニアンホール(八神製作所多目的ホール)
勝田 治己
1
,
石井 文康
2
1愛知県理学療法士会
2愛知県作業療法士会
pp.287-288
発行日 1999年3月10日
Published Date 1999/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108936
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1.介護保険制度において理学療法士,作業療法士に期待すること
日本福祉大学中央福祉専門学校 見平 隆
1997年12月17日,2年越しの審議を経て成立した介護保険法が公布された.介護保険法については,これまで供給サービスの量的問題や質的問題,保険システム導入問題(財源問題)などが喧伝されてきた.さらに,「介護支援専門員」を巡る異常なまでの過熱は本来の趣旨から大きくはずれた議論を展開させることとなった.介護保険法の実質的な施行を1年後にして,この制度の成立した背景,言い換えれば,なぜこの制度を成立させる必要があったのかを考えなければ,この制度を利用者主体で取り組むことはできないであろう.この制度がわが国における社会保障制度の根幹を揺り動かすものであるほど,利権確保の機会ととらえるのではない視点が大切である.市民生活を取り巻く課題を「福祉サービス」,「医療サービス」という枠の中だけで見るのではなく,さらには,介護保険法により供給サービスの質の低下を心配することばかりに心を奪われるのではなく,これまでの供給サービスの内容が妥当であったのかを点検し,今後の供給サービスの質をどのように高めていくのかを検討することが大切である.
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