Japanese
English
特集 下肢骨関節症の最近の治療
変形性股関節症治療法の選択
Treatment for osteoarthritis of the hip joint.
福田 寛二
1
,
浜西 千秋
1
Kanji Fukuda
1
,
Chiaki Hamanishi
1
1近畿大学医学部整形外科
1Department of Orthopedics, Kinki University School of Medicine
キーワード:
臼蓋形成不全
,
機械的ストレス
,
自然経過
,
人工関節置換術
Keyword:
臼蓋形成不全
,
機械的ストレス
,
自然経過
,
人工関節置換術
pp.207-212
発行日 2001年3月10日
Published Date 2001/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109436
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はじめに
股関節は大腿骨頭とこれを被覆する臼蓋により構成され,関節軟骨の存在により円滑な運動を行う人体で最大の関節である.変形性股関節症はこの関節軟骨の磨耗により生じ,歩行や運動時の股関節痛,可動域制限により著しいADL障害をきたす疾患である.その発症には種々の原因が関与するが,本邦に多くみられるのは臼蓋形成不全に起因するもので,一般に進行性である.末期変形性股関節症に対しては,その良好な長期成績より,人工関節置換術が良い適応となる.しかし若年~壮年期には骨頭温存をはかるべきであり,各種術式の適応を考慮するうえで,その長期自然経過を知ることは意義のあることと思われる.
本稿では変形性股関節症の自然経過について解説するとともに,変形性股関節症の悪化因子を述べる.さらに,これらを踏まえた変形性股関節症の長期的治療計画のありかたについて,保存的療法,手術的療法に分けて解説する.
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