Japanese
English
実践講座 排泄障害・第3回
排尿障害への対応
Care for urinary dysfunction.
西村 かおる
1
Kaoru Nishimura
1
1NPO法人日本コンチネンス協会
1Japan Continence Action Societry
キーワード:
蓄尿障害
,
排尿困難
,
頻尿
,
夜間多尿
,
機能性失禁
Keyword:
蓄尿障害
,
排尿困難
,
頻尿
,
夜間多尿
,
機能性失禁
pp.653-659
発行日 2014年7月10日
Published Date 2014/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110560
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
普段,何気なく排尿をしているが,実は非常に複雑な連続した動作であり,高い能力が必要である.正常な排尿は表1に示すように ① 尿意の知覚,② トイレ,便器の認識,③ 起居・移乗・移動,④ 衣類の着脱,⑤ 便器へアプローチ,⑥ 排尿,⑦ 後始末を連続してスムーズに行う必要がある.これら一つ一つの動作は生活上の基本となる動作であるため,それらがすべて組み合わさった排泄にしっかり関わることは日常生活が全体に影響を及ぼす.つまり,移動,更衣,保清,そして補水が適切でないと排尿もトラブルをかかえることになる.また排泄動作を行う機能としては判断力・認知がしっかりしていること,移動や,更衣など運動機能が保たれていること,そして尿を溜めて出す泌尿器,つまり膀胱・尿道が正常であることが必要である.
排泄障害を考えるとき,これらの条件のどこに問題があり,その結果排尿動作の何ができないのか,どうしたらできるようになるのかを考えていくことが大切である.そのためには,正常を熟知して,生活の視点を意識することが重要である.本稿では,この視点から排尿障害への対応を検討したい.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.