一頁講座 神経心理学的症候
ゲルストマン症候群 Gerstmann Syndrome
河村 満
1
1昭和大学医学部神経内科
キーワード:
ゲルストマン症候群(Gerstmann Syndrome)
,
手指失認
,
左右識別障害
,
失算
,
失書
Keyword:
ゲルストマン症候群(Gerstmann Syndrome)
,
手指失認
,
左右識別障害
,
失算
,
失書
pp.1179-1180
発行日 2000年12月10日
Published Date 2000/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109377
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- 文献概要
ゲルストマン症候群(Gerstmann Syndrome)は有名な病態である.医師国家試験や医学部の卒業試験にもよく出題されるし,ポリクリなどで学生に開いてもよく知っている場合が多い.
左角回とその後方部を中心とする広い病変で生じ,1)手指失認,2)左右識別障害,3)失算,4)失書の四徴候を併せ持った場合をGerstmann症候群と呼ぶ.責任病巣が左角回を中心とするので左頭頂葉症状として重視されてきたのである.症状の多彩さが特徴で,それは頭頂葉機能の多様さを示唆するので説得力がある,特に手指失認はボディ・イメージの障害とも理解できるから,左頭頂葉外側(角回を中心とする連合野)にボディ・イメージ中枢があるかもしれない,と考えることも可能である.この点もこの症候群に魅力を与えている.
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