Japanese
English
治療経験
手術中,術者が受傷した伸筋腱損傷の1例
A Rehabilitation Case for Extensor Tendon Injuries of a Surgeon Sustained on Operation.
小木曽 弘
1
,
古屋 富治雄
1
,
西島 直城
1
Hiroshi Ogiso
1
,
Fujio Furuya
1
,
Naoki Nishijima
1
1静岡県立総合病院
1Shizuoka General Hospital
キーワード:
腱
,
伸筋腱損傷
Keyword:
腱
,
伸筋腱損傷
pp.973-976
発行日 2000年10月10日
Published Date 2000/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109338
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はじめに
手背部での裂傷は多く,時々,伸筋腱損傷を伴う.しかし,実際の手のリハビリテーションとなると,伸筋腱損傷後から1~2か月経過していたり,損傷部位の皮膚欠損や感染が合併していることが多く,手のリハビリテーションには難渋する.伸筋腱の断裂では,筋がかなり早期に静的拘縮(myostatic contracture)に陥る.そして,その拘縮は非可逆的に進行し,ついには力源として使用できなくなる.伸筋腱は屈筋腱に比べ,静的筋拘縮に陥りやすい1,2).ましてや,骨折等の悪条件が重なれば,拘縮の全くない手への回復は望み難い.
今回,われわれは手術中に誤って自己の利き手である右手伸筋腱および尺骨神経手背枝を切断した症例を経験した.受傷状態としては理想的な損傷であり,良好な経過をたどり,全く後遺症のない手指として回復したので,術後のリハビリテーションを中心に報告する.
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