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特集 介護保険とリハビリテーション
医療保険と介護保険―その役割と課題
Medical Insurance and Care Insurance.
石田 暉
1
Akira Ishida
1
1東海大学医学部リハビリテーション学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University School of Medicine
キーワード:
医療保険
,
介護保険
,
ゲートキーパー
Keyword:
医療保険
,
介護保険
,
ゲートキーパー
pp.23-27
発行日 2000年1月10日
Published Date 2000/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109139
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はじめに
平成12年4月からいよいよ公的介護保険が開始される.これは「個人あるいは家族に介護の負担を背負わせるのではなく社会で支えていこう」という趣旨の下に新たに導入された.これまでは社会で支える仕組みがなかったかというと,そんなことはなく,ヘルパーやボランティアなどによる介護が行われている.しかし,大部分の介護は配偶者(主として妻)や嫁,娘などの女性がその役割を果たしていた1).公的介護保険はこの家族による介護の部分をもっと公で支えていこうとするものである.
一方,医療のほうではどうだろうか.医療保険のなかでも社会的入院として介護を必要とする人を止むを得ず引き受けていたし,引き受けざるを得ない事情もあった.しかし,年々増加する医療費や医療保険内で現存する介護に関するサービスの制限を行うためには医療と介護を分離することが早急の課題となってきた.
とはいえ,これから導入される予定の介護保険は前述の問題点を一気に解決できるように作られているのであろうか.今後の導入に向けて詳細な内容については紆余曲折が予想され,まだまだ不明瞭な点も多く存在するが,この稿では,総論として医療保険と介護保険にまたがるさまざまな問題点をリハビリテーションの視点で考えてみることにする.
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