介護保険とリハビリテーション関連事業

Long-term Care Insurance and Other Programs for Rehabilitation.

はじめに

　わが国は，21世紀前半には4人に1人が65歳以上のいわゆる高齢者となるというように，世界で他に例を見ないスピードで高齢化が進行している．長寿は，非常に喜ばしいことではあるが，その一方で介護を要する高齢者も増加するという問題が生じてくる．

　現在，多くの国民の不安要因となっている老後の介護問題に対応するために，介護を要する高齢者およびその家族の多様なニーズに基づいた多様なサービスを提供できる仕組みとして，社会保険方式によって高齢者の介護を社会全体で支え合う介護保険制度が，平成12年4月からスタートする．

　介護保険制度においては，要介護または要支援と認定された者について，状態に応じて必要な保険給付がなされるが，高齢者本人，また家族にとっても，そのように認定される状態は決して望ましいものではなく，そうなることをできる限り予防し，また，そうなった場合でも，有する能力の維持向上に努める必要があることは言うまでもない．要介護状態となることの予防，また，要介護状態となった場合において，心身機能の維持向上を目的として，リハビリテーションが大変重要である．