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短報
仮性球麻痺症例の流涎に対する口唇弁別課題の試み―2症例による検討
Two case studies on lip discrimination task for drooling problem among patients with pseudobulbar palsy.
高井 逸史
1,2
Itsushi Takai
1,2
1寺田萬寿病院リハビリテーション科
2現・大阪物療専門学校理学療法学科
1Department of Rehabilitation, Teradamanju Hospital
キーワード:
仮性球麻痺
,
流涎
,
弁別課題
Keyword:
仮性球麻痺
,
流涎
,
弁別課題
pp.929-932
発行日 2007年9月10日
Published Date 2007/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101043
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要旨:〔目的〕流涎を呈する片麻痺2症例に対し,流涎の改善目的に口唇の弁別課題を考案し施行した.〔対象〕症例1は68歳,男性,右内頸動脈梗塞による左片麻痺,発症後6年2か月経過していた.上下肢ともBrunnstorm Recovery Stage(BRS)はⅡ,Barthel Index(BI)は45点,Mini Mental State Examination(MMSE)は28点であった.症例2は72歳,男性,左被殻出血による右片麻痺,発症後6か月経過していた.上下肢のBRSはⅠ~Ⅱ,BIは40点,MMSEは24点であった.〔方法〕硬さ,大きさ,形状のおのおの3段階を識別する弁別課題を週3~4回,計10回施行した.評価項目は流涎の状態,水飲みテスト,口唇閉鎖能力,頬膨らましであった.〔結果〕症例1では介入後に流涎がほぼ消失し,水飲みテストではむせが消失し,所有時間も短縮した.症例2では流涎の変化はなかったが,拭き取る場面が多くみられた.水飲みテストではこぼれが消失した.〔結語〕口唇の認識能力を賦活し向上させることが,口唇への注意力向上や運動機能回復につながると考える.
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