Japanese
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実践講座 リハビリテーションにおける画像診断
1.CTと入院時症状による脳血管障害例の運動機能予後予測
Predicting the Motor Functional Outcome of the Upper Limbs in Patients with Acute Cerebrovascular Disease using Symptoms on Admission and Severity of Our CT Classification.
伊藤 秀樹
1,2
,
押田 直子
3
,
塩井 美紀
3
,
中村 佳代
3
,
伊藤 元弥
4
Hideki Itoh
1,2
,
Naoko Oshida
3
,
Miki Shioi
3
,
Kayo Nakamura
3
,
Motoya Itoh
4
1富山赤十字病院脳神経外科
2国立療養所盛岡病院
3富山赤十字病院リハビリテーション科
4伊藤整形外科病院
1Department of Neurosurgery, Toyama Red Cross Hospital
3Department of Rehabilitation Medicine, Toyama Red Cross Hospital
4Itoh Orthopedic Hospital
キーワード:
運動機能予後予測
,
CT分類
,
脳血管障害
Keyword:
運動機能予後予測
,
CT分類
,
脳血管障害
pp.49-55
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108878
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はじめに
脳血管障害例の運動機能予後を入院後の早期に予測することは,治療計画の決定やゴールの検討,さらにはインフォームドコンセントに際して重要である.しかし,発症後早期の入院時症状,あるいはCTやMRIなどの画像を,それぞれ単独に用いて機能予後を推測することは困難な場合が多い.脳梗塞例における急性期進行例1-3)や脳出血の急性期血腫増大例1)など,入院後に症状が低下する例が存在すること,運動麻痺の改善が全くみられない例や上肢近位筋群の運動麻痺が遠位筋群に比して強い片麻痺例4)(以下,近位麻痺型)など,通常の回復過程をとらない例がみられること,その他に治療法,リハビリテーションの開始時期・技術など,多くの問題点が考えられる.
筆者らは,入院時症状による回復過程の検討と,CT分類を用いての運動機能予後の検討とを併用して,脳血管障害例の運動機能予後とゴールについて検討してきた.この方法は脳血管障害急性期例の治療成績と良く一致すると考えられ,運動機能予後の予測の他に,多施設間の治療成績の検討や治療法の検討にも有用と考えられるため,以下,その概要について述べる.
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