Japanese
English
講座 日本の社会福祉
1.社会福祉制度の歴史的変遷
The History of Social Welfare in Japan.
三友 敬太
1
,
奥野 英子
2
Keita Mitomo
1
,
Eiko Okuno
2
1厚生省大臣官房障害保健福祉部社会参加推進室
2筑波大学大学院教育研究科リハビリテーションコース
1Office for Promoting Social Participation, Department of Health and Welfare of Persons with Disabilities, Ministry of Health and Welfare
2Rehabilitation Course, University of Tsukuba
キーワード:
社会福祉
,
障害者福祉
,
高齢者福祉
Keyword:
社会福祉
,
障害者福祉
,
高齢者福祉
pp.43-48
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108877
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
わが国の社会福祉は日本国憲法のもとに制度化されたといえる.現在の社会福祉の基礎構造ともいえる社会福祉事業の範囲,社会福祉法人,福祉事務所などは,昭和26年に制定された社会福祉事業法によりその枠組みが定められている.その意味では,日本における社会福祉の歴史はまだ50年程度しかない.
社会福祉基礎構造の改革が検討されているなかで,日本の社会福祉を障害者の福祉やリハビリテーションとの関連で取り上げるにあたり,「社会福祉」とは何かを明確にする必要があろう.
日本国憲法において「社会福祉」は,「社会保障」や「公衆衛生」と区別して使われているが,その意味については定義されていない.「社会福祉」については諸説がある.これらを整理すると,①社会福祉は社会保障の一分野,②社会保障,保健衛生,労働,教育,住宅等生活関連の公共施策を総括した概念,③生活関連の公共施策を国民が利用できるように援助すること,などのとらえ方がある.本稿では,①と③のとらえ方に立脚する.
社会福祉の分野としては,公的扶助(生活保護),低所得者対策,児童福祉,障害者福祉,高齢者福祉,家庭福祉,女性福祉,医療福祉,司法福祉などがあげられるが,本稿では,障害者福祉および高齢者福祉を中心としたリハビリテーション関連分野について,わが国の社会福祉制度が果たしてきた役割を,戦前の社会福祉,戦後の社会福祉および最近の動向に分けてまとめたい.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.