Japanese
English
実践講座 リハビリテーション診察法
2.内科系の診察
Principal Aspects of Internal Medicine in Rehabilitation.
樋渡 正夫
1
,
佐藤 徳太郎
1
Masao Hiwatari
1
,
Tokutaro Sato
1
1東北大学大学院障害科学専攻内部障害学分野
1Section of Internal Medicine and Disability Prevention, Graduate School of Medicine, Tohoku University
キーワード:
全身的所見
,
呼吸・循環応答
,
リハビリテーション効果
,
運動負荷試験
Keyword:
全身的所見
,
呼吸・循環応答
,
リハビリテーション効果
,
運動負荷試験
pp.759-766
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108728
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はじめに
慢性疾患に関する一般論として,ある疾患に対する予防医学が進歩するとその疾患の発症時期が遅れることになり,治療法が進歩すれば対象疾患が重症化する速度も遅くなる.結果として,対象疾患中に占める高齢者の割合が増加する.その一方で,加齢に伴う不可避な変化や潜在的な異常は患者の高齢化と共に顕在化してくるので,同時に多種の疾患を合併している患者が増加する.この現象はリハビリテーション対象患者にも当てはまり,リハビリテーションの原疾患にのみ目を奪われることなく,患者の全体像を正しく把握する必要がある.
このような観点からリハビリテーション医療における内科系診察の重要性が増しているが,千田1)は本シリーズの第1回で,リハビリテーション患者の機能的状態に強く影響する身体臓器系として筋・骨格系,運動感覚系,高次機能系,呼吸・循環系があり,内科系の診察ではエネルギー産生に深い関わりをもつ呼吸・循環系の状況を明らかにする必要があると述べている.
そこで本稿では,リハビリテーション医療に携わる医師やコメディカルスタッフが,患者を診察する際に身につけておきたい内科的所見の取り方を略述し,併せてリハビリテーション時に重要な内科的側面の一つである呼吸・循環反応についても解説する.
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