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はじめに
便利といわれながら初心者には敷居が高かったパソコンも,MacintoshTMやWindowsTMの登場以来,プログラミングなどに興味のない実用本位の医療関係者にも受け入れやすいものになったことは確かである.そして,ほとんどの読者が,ワープロや住所録程度であれば,すでにパソコンを利用していることであろう.しかし,一般企業や一流の研究所が定型的業務において,水や空気のようにネットワーク環境下でパソコンを使いこなしているのに対して,医療界の現状はあまりにも貧弱と言わざるをえない.
コンピュータ化の真の効用は,全員が専用端末をもったネットワーク環境でこそ発揮できるのであるが,導入だけでなく維持するためにも,通常,莫大なコストがかかる.リハビリテーション界でのネットワークの応用例として,例えば,患者データベース,電子カルテ,電子リハビリテーションカンファレンス1)などがあげられるが,これらよりもコストの問題や医事管理システムばかりが重要視されてしまった結果,リハビリテーション界でのコンピュータ化は大きく立ち後れてしまった.パソコンが生鮮食料品に喩えられるほど新旧交代が激しくなり,社会に広く普及した昨今にもかかわらず,このような専門誌に講座が掲載されるのも,一般社会のコンピュータ化の現状と医療界での現状が大きく解離していることを物語っているのであろう.
さて,以上のような状況のなかで,リハビリテーションにおいてすでにかなり普及しているパソコンの利用法として,研究データ管理とデータ解析がある.ネットワークを必要とせず,単体のパソコンで個人の努力で実現可能なためである.本講座では,研究データ管理とデータ解析について,筆者の経験を交えて解説する.
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