Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ユキエ」―共有すべき言葉の発見
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.391
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108646
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釣りバカ日誌シリーズの何作目だっただろうか.スーさんこと社長の物忘れに対して,ヒラ社員のハマちゃんが発した言葉は,アルツハイマー.ひと頃,アルツハイマーという言葉は,笑いをとるためのギャグネタになっていたはずだ.
しかし,最近では,身近なところにアルツハイマー症の当事者と,介護にあたる家族の人たちがいて,その現実を目の当たりにすることによって,笑いを喚起する言葉としては使われなくなってきた.いまやシリアスな言葉になったといってよい.そんな昨今の雰囲気を映像で言い当てたのが「ユキエ」(監督/松井久子).原作は,93年の芥川賞に輝いた吉目木晴彦の『寂寥郊野』である.
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