Japanese
English
短報
前十字靱帯再建膝の動的筋出力における加速の特異性
Acceleration Specificity in Dynamic Knee Extension and Flexion after Anterior Cruciate Ligament Reconstruction.
平田 光司
1
,
橘内 勇
1
Kouji Hirata
1
,
Isamu Kitsunai
1
1元生会森山病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation, Moriyama Hospital
キーワード:
膝前十字靱帯再建術
,
等速度運動器
,
加速時間
Keyword:
膝前十字靱帯再建術
,
等速度運動器
,
加速時間
pp.273-276
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108619
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はじめに
膝前十字靱帯損傷(以下,膝ACLと略)は,比較的若い世代に発生する頻度が高く,これらの患者のスポーツ活動への復帰を目的とした膝ACL再建術や,その後のリハビリテーションには大きな関心が向けられている.再建術後の運動療法においては,筋力トレーニングがその中心であり,継時的な測定・評価を基にしたトレーニング・プログラムの策定とそのマネージメントが必要不可欠となる.
等速度性筋出力測定・訓練器(以下,等速度運動器と略)は筋の動的機能を客観的に評価したり,異なる速度の運動を効率的にトレーニングさせることが可能であり,近年のスポーツ選手に対するリハビリテーションの認識の高まりに伴い,徐々に普及しつつある.
等速度運動器による求心性収縮においては,可動域全体に亘って等速度運動を表出できるわけではなく1),その運動開始初期においては,設定角速度に到達するまで筋力が測定されない欠点がある.設定角速度に到達するまでの暫時,すなわち加速期は角速度が増すとともに延長する3)ことは知られているが,関節やその周囲の筋群の機能が傷害によって低下することで,どのような特異性を示すか等の事項については,十分検討されていないように思える.
今回,われわれは膝ACL再建術後の患者を対象にして,等速度下で発揮された膝周囲筋群の筋力を測定し,あわせて加速期の動態を調べた.これら筋出力情報のデータの相異や相関関係を検討し,膝ACL再建術後のリハビリテーションにおける筋力トレーニングの資料とすることを目的とした.
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