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特集 リハビリテーションと医療・保健・福祉―経済的側面から
リハビリテーション医療のシステムと経済―リハビリテーション医療費総額の推計と構造分析
A Structural Analysis of Medical Rehabilitation Expenditures.
二木 立
1
Ryu Niki
1
1日本福祉大学
1Nihon Fukushi University
キーワード:
リハビリテーション医療費
,
脳血管疾患医療費
,
義肢装具医療費
Keyword:
リハビリテーション医療費
,
脳血管疾患医療費
,
義肢装具医療費
pp.215-221
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108611
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はじめに
リハビリテーション医療費の総額はどのくらいの規模になるのか?リハビリテーション医療関係者なら,誰でも一度はこう考えたことがあるだろう.しかし,それに対する公式回答(官庁統計)はない.今から20年前の『リハビリテーション白書(初版)』の指摘―リハビリテーション医療は「縦割りの官僚的システムによって相互の連携なく行われていることが多く,またその費用区分も制度ごとに異なるため,集計が不可能である」1)―は,現在もほぼそのまま当てはまる.
そのために,従来のリハビリテーション医療の経済分析では,筆者自身のものを含めて,その対象を医療施設(病院・診療所)の入院・外来で行われている「狭義のリハビリテーション医療費」に限定してきた2).しかし,これでは,リハビリテーション医療の重要分野である義肢装具(法律上は「補装具」)の医療費が抜け落ちてしまう.さらに1980年代以降に生じた,保健・福祉分野へのリハビリテーション医療の広がりも,見落とされることになる.
そこで本稿では,入手可能な各種官庁統計を用いて,各分野のリハビリテーション医療費を調査し,それらを集計したリハビリテーション医療費総額を推計するとともに,主要3分野(入院・外来,在宅,補装具)のリハビリテーション医療費の構造分析を行う.これは,医療費面からみたリ
ハビリテーション医療の「システム分析」でもある.
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