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特集 リハビリテーションの経済学
リハビリテーションの経済学―医学的リハビリテーションの費用・便益分析を中心に
Rehabilitation Economics: With Special Reference to Cost-benefit Analysis of Rehabilitation Medicine.
二木 立
1
Ryu Niki
1
1代々木病院理学診療科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yoyogi Hospital.
キーワード:
医療経済学
,
費用・便益分析
Keyword:
医療経済学
,
費用・便益分析
pp.513-523
発行日 1981年7月10日
Published Date 1981/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104569
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はじめに
リハビリテーションの経済学という表現にはリハビリテーション関係者の多くが異和感を持つだろう.それがリハビリテーションの「理念」,ヒューマニズムと本質的に対立するものという反発も予想される.リハビリテーションに従事する者は,それの経済性など考えず,「医療倫理」に従って,個々の障害者に最良のサービスを提供すればよいといった考え方も依然根強い.
たしかに,経済の高成長の時代には,このような考え・態度でもさして問題は生じなかった.しかし,経済の低成長時代を迎え,医療・リハビリテーション費用の徹底した“見直し”=抑制がなされている現在,単にリハビリテーションの「=理念」を繰り返すだけでは不充分である.そうではなく,リハビリテーションの効果,社会経済的役割・有効性を科学的に示すことが不可欠である.このような努力を抜きにして,リハビリテーションの今後の発展は望めないとすら言えよう.
そして,リハビリテーションの効果,社会経済的有効性の検討を行う上で,経済学の知識・方法を利用することが重要である.特に,近年発展の著しいサービスの経済学,医療経済学の成果を学ぶことは不可欠とさえ言える.
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