Japanese
English
研究と報告
呼吸刺激法を用いたsympathetic skin responseの検討
A Study of Sympathetic Skin Response introduced by Respiration as a Method of Stimulations.
吉良 保彦
1
,
荒巻 駿三
1
,
小倉 卓
2
,
平澤 泰介
2
Yasuhiko Kira
1
,
Shunzo Aramaki
1
,
Taku Ogura
2
,
Yasusuke Hirasawa
2
1京都府立心身障害者福祉センター附属リハビリテーション病院
2京都府立医科大学
1Kyoto Prefectural Rehabilitation Hospital for the Mentally & Physically Disabled
2Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
SSR
,
%FVC
,
FEV1.0%
,
Mayer wave
,
RSA
Keyword:
SSR
,
%FVC
,
FEV1.0%
,
Mayer wave
,
RSA
pp.65-72
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108574
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はじめに
自律神経機能を把握する方法には,効果器の反応を観察するか,自律神経活動の結果として得られる代謝産物を測定した薬効学的な検査方法1)等が古くから用いられてきているが,臨床応用されるには至っていない.
しかし,最近,自律神経機能の検索法として,Hagbarthら2)は,Microneurographyによりヒトの汗腺と皮膚血管をそれぞれ支配する発汗神経と血管運動神経から複合活動としての皮膚交感神経活動(skin sympathetic nerve activity;SSA)を記録している.SSAは,適度な温度条件下では血管運動神経の活動が抑制され,覚醒刺激による発汗神経の活動だけが誘発される.この原理を利用したものが,Shahaniら3)の提唱するsympathetic skin response(SSR)である.
SSAの定量的解析を電気生理学的に可能としたSSRは,交感神経機能を直接的に評価する方法として臨床的4,5)に用いられている.従来,SSRはエクリン汗腺の発達している手掌や足底から電気刺激を用いて誘発してきた.しかし,電気刺激による電位の出現様式は多様性に富み,刺激に対して慣れ6-8)現象を認め,意識や情動などの心理的変化にも影響を受けやすく,評価するうえで困難が多い.
今回,われわれは呼吸に着目し,被験者に呼吸課題を与え,注意の集中時に得られるSSRと電気刺激法によるSSRのパラメーターや心電図のスペクトル解析による心拍変動成分との関連について比較検討し,若干の知見を得たので報告する.
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