Japanese
English
実践講座 住環境整備の実際
3.起居・移動
House Remodeling and Technical Aids: Locomotion for the Home-bound Disabled in Community-based Rehabilitation.
田中 理
1
Osamu Tanaka
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
1Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
福祉機器
,
住宅改造
,
起居
,
移乗
,
移動
Keyword:
福祉機器
,
住宅改造
,
起居
,
移乗
,
移動
pp.243-248
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108329
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起居・移動と環境整備との関係
日常生活の諸活動は,起居・移動・行為のサイクルで行われている.行為は目的別に種々の動作を必要とするが,起居と移動は起き上がる,座り込む,歩行するというような一定の動作で成り立っている.
起居・歩行とも全介助の場合は,移動に車いすが必要になるとともに,車いすへの移乗にリフトが必要になろう.起居が部分介助の場合は,その自立度によって移乗方法が異なってくる.ベッド端に腰掛けることが可能で,支えがあれば立ち上がれる場合はベッド柵や移動用バー(ベッドのフレームに固定する手すり)を利用するのが適当だが,立ち上がりが困難な場合は,介助による移乗方法の検討やリフトの利用が必要になろう.また,支えがあれば歩行可能な場合には杖や歩行器等の歩行補助具や手すりの利用の検討が必要になろうし,そうでない場合には車いすの利用を検討する必要があろう.一般的にみて,起居・歩行の自立度が高くなれば機器への依存度は小さくなり,自立可能な動作を安全に安定して実施できる最小限の環境整備の検討で解決できる度合が高まる.
このように,起居と移動動作を軸に環境整備の方向性を捉えていくと,必要とされる住環境整備の全体像が見えてくる1).起居・移動の検討はいわば住環境整備のプランニングの基礎となるものであり,最初にその関係付けと問題の整理をしておくことが肝心である.
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