Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「学校Ⅱ」―障害もつ子に託された教育再生の祈り
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.1107
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108246
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山田洋次監督の'93年作品「学校」は,貧困,非行,登校拒否,さらには外国人であることによって,教育から疎外されてきた人たちが,本来あってはならないはずの“夜間中学”で人との出会いを通して自己回復していく物語であった.山田は,この映画を作った動機を画一的な教育の押しつけへの抗議だったと最近の講演で語っている(6月,旭川).
そして,この秋,新作「学校Ⅱ」が公開される.今度の舞台は,大阪でも京都でも東京でもなく,北海道の大雪原の真ん中にポツンと建っている雨竜高等養護学校(映画では竜別)だ.夜間中学の後は,網走番外地シリーズを彷彿させる北の果ての養護学校.どうして?と思う御仁も多いはずだ.さながら,そこは教育界の底辺,辺境といった所であるにもかかわらず,あるべき教育の姿,普遍的な教育の姿が見いだせたわけで,そんな逆説的おもしろさに創造意欲がかきたてられたにちがいない.
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