Japanese
English
特集 随意運動とその障害
運動学習と中枢神経障害後の代償機構
Motor Learning and Compensation following Localized CNS Lesion.
佐々木 和夫
1
Kazuo Sasaki
1
1京都大学医学研究科認知行動脳科学講座
1Graduate School of Medicine, Kyoto University
キーワード:
認知学習
,
熟練学習
,
代行性代償
,
代償性再学習
,
中枢神経再構成
Keyword:
認知学習
,
熟練学習
,
代行性代償
,
代償性再学習
,
中枢神経再構成
pp.1043-1051
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108235
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運動学習と中枢神経障害後の代償の研究方法
運動学習および中枢神経系障害後の代償の過程と中枢神経活動の変化を対応付けるには,さまざまな研究の手段と,研究対象のレベルがある.中枢神経系について言えば,分子,細胞から個体の社会的行動まで,各々異なるレベル(階層)の研究が進んでいる.いずれも有益,貴重な成果が期待されるが,実際,リハビリテーションなどの臨床的応用に結び付けるには未だレベル間の多くのギャップがあるのも否めない事実である.
本稿では,そのような多くの研究のなかから,サルの慢性実験により,大脳皮質の電気的活動の変化を数か月以上記録分析し,運動学習と代償過程との対応を調べた筆者らの研究結果を中心に,それらの中枢神経機序を考察したい.人で直接,中枢神経機構を研究するには,厳しい制限がある.最近,幾つかの,いわゆる非侵襲的脳機能計測方法が実用化されてきた.その成果は今後大いに期待されるが,サルによる実験的知見はそのモデルとなるであろう.
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