Japanese
English
特集 腰部脊柱管狭窄症―各種療法と日常生活指導
手術的治療―適応と術後後療法
Surgical Treatment for Lumbar Spinal Canal Stenosis: Surgical Indication and Postoperative Management.
平林 茂
1
Shigeru Hirabayashi
1
1国立国際医療センター整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, International Medical Center of Japan
キーワード:
腰部脊柱管狭窄症
,
手術的治療
,
術後後療法
,
手術適応
Keyword:
腰部脊柱管狭窄症
,
手術的治療
,
術後後療法
,
手術適応
pp.821-827
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108189
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はじめに
腰部脊柱管狭窄症の治療においては,治療法の選択の幅がきわめて広く,民間療法を含め現在さまざまな治療法が行われている.本症が独立した疾患ではなく,症例ごとに原因や病態が異なることがその一因である.
手術的治療においても,適応に基準はなく,本症の治療体系全体のなかでの手術的治療の位置づけは,医師側と患者側双方の事情によって大きく変化する.すなわち,医師側にあっては,医師個人の経歴や経験により手術適応や手術法に関する考え方が異なるため,統一された一定の方針を見いだし難いのが実状である.特に,手術法に関しては現在なお多くの論点が存在する.
一方,患者側にあっては,手術を行うか否かの決定は,最終的には患者自身の希望や意思によってなされるため,同様な症状を呈していても,手術を行う群と行わない群とに分かれることになり,ある客観的な手術適応の基準を設けることが無意味である場合がある.
以上のような実状ではあるものの,実際の医療現場においては,おおよそのコンセンサスとされている手術的治療の適応や,その有用性と限界とをよく理解しておくことが重要である.特に,最近は手術材料の改良や技術の進歩がめざましく,手術法は大きく変化しており,それに伴い術後後療法も変容している.
本論文では,現時点における本症に対する手術的治療の概要を説明することとする.
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