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はじめに
関節リウマチ(以下,RA)は炎症と障害の二面性をもった疾患である.その予後はRA発症後どのような経過をとり,どのような転帰に至るかによって判定される.経過はタイプや治療効果反応などによって観察され,転帰は生命予後と機能や能力障害予後の面から捉えられる(図1).
慢性疾患などによって生じる生活機能障害を,WHO1)は機能障害,活動制限,参加制約に分類している(図2).RAの機能的予後はこのなかで,機能障害,活動制限の転帰を予測するものと考えられる.
RAの機能障害はSteinbrockerら2)の機能分類によってclass 1,2,3,4などに便宜上分けられているが,経過とともに寛解するもの(class 1),コントロールされるもの(class 2),進行して重症化するもの(class 3,4),に分かれる(図3).
リウマチ白書3)によると,RA患者が最も不安に思っていることはRAの再発・進行(60.9%)で,次いで日常生活動作の低下(53.9%)であった.これは言い換えれば,患者は機能障害,活動制限の進行の防止を強く希望していることを意味する.そのために,機能的予後の予測は治療方法の決定に大きな影響を与えるため重要となる.
このように,RA患者の機能障害を発症早期に予測することが大切であるが,一方,高度な機能障害をきたした場合,どのような治療介入によって予後が変わるかを知ることも必要である.
本稿では,RA発症初期の機能的予後予測因子を探り,進行期での重度RAの機能的予後を機能障害の原因に対する各種治療法の結果から検討し,さらに手術的介入について手術適応や手術タイミングを解説する.
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