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特集 成人脊柱変形Up to Date
第5章 トピックス
腰曲がりの保存療法
Conservative Treatment of Adult Spinal Deformity
長田 圭司
1
,
山田 宏
1
Keiji NAGATA
1
,
Hiroshi YAMADA
1
1和歌山県立医科大学整形外科学講座
1Department of Orthopedic Surgery,Wakayama Medical University
キーワード:
腰曲がり
,
adult spinal deformity
,
保存療法
,
conservative treatment
,
腰痛
,
back pain
Keyword:
腰曲がり
,
adult spinal deformity
,
保存療法
,
conservative treatment
,
腰痛
,
back pain
pp.847-849
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201753
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はじめに
脊椎矢状面配列異常が腰痛や健康関連QOLに与える影響の解明と医療技術の進歩が相俟って,後弯を伴う成人脊柱変形(腰曲がり)に対し手術療法(脊椎変形矯正固定術)が行われる頻度が増加している.しかし,外科的治療は臨床的障害を大きく改善することが期待できる一方,大きな侵襲・高率の合併症・高額の医療費などの問題があり,脊柱変形による臨床的障害の重症度や本人の嗜好も考慮し保存療法が継続して行われることも多い.保存療法では,薬物治療・運動療法・ブロック治療などが組み合わせて行われるが,本邦における腰曲がりに対する保存療法の有効性に関する研究は非常に少なく,また費用対効果に関する研究は存在しない.患者が訴えている症状が,変性や加齢に伴うものなのか,それとも後弯や側弯などの変形そのものによるものなのかわからないことが,さらに治療の選択を困難にしている.また,何が実際に保存療法を構成し,その選択の根拠となるかは疑問であり,その費用対効果についてはまったく明らかでない.本稿では,腰曲がりに対する保存療法の有効性を文献的に評価することを目的とする.
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