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特集 適応障害(適応反応症)の予防と対策
【予防と対策】
適応障害の文脈におけるマインドフルネス認知療法
Mindfulness based cognitive therapy in the context of adjustment disorder
佐渡 充洋
1
Mitsuhiro SADO
1
1慶應義塾大学保健管理センター,同マインドフルネス&ストレス研究センター
キーワード:
マインドフルネス
,
適応
,
嫌悪
,
脱中心化
Keyword:
マインドフルネス
,
適応
,
嫌悪
,
脱中心化
pp.259-262
発行日 2023年10月28日
Published Date 2023/10/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28704259
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本稿では,適応障害の文脈におけるマインドフルネス認知療法が機能しうるかについて考察するため,最初にマインドフルネス認知療法についてその概要を説明し,それが8回の構造化された集団精神療法であること,集中瞑想からはじまり観察瞑想へと移行しながら,自分の思考や感情を客観的に捉える脱中心化を習得していくプロセスであることを説明した.次にマインドフルネス認知療法の効果機序として,現実を冷静に優しい好奇心をもって,ありのままに捉える脱中心化が大きな役割を果たしていることを確認した.さらに適応障害の文脈では,外的および内的体験への持続的な嫌悪が,思考の反芻を引き起こし症状の悪化や遷延化につながりうること,こうした嫌悪に対して脱中心化的なアプローチで関わることが,状況に対してより柔軟な対応を促しうることを考察した.
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