Japanese
English
研究と報告
成人アテトーゼ型脳性麻痺の頸椎MRI所見と生活環境との検討
Study of the Cervical Magnetic Resonance Imaging Findings and the Living Environments in Adults with Athetoid Cerebral Palsy.
多和田 忍
1
,
万歳 登茂子
2
,
小川 鉄男
2
,
河合 憲一
2
Shinobu Tawada
1
,
Tomoko Manzai
2
,
Tetsuo Ogawa
2
,
Kenichi Kawai
2
1名古屋市立大学病院整形外科
2名古屋市総合リハビリテーションセンター
1Department of Orthopedics, Nagoya City University
2Nagoya City Rehabilitation Center
キーワード:
アテトーゼ型脳性麻痺
,
頸椎症
,
MRI
Keyword:
アテトーゼ型脳性麻痺
,
頸椎症
,
MRI
pp.31-35
発行日 1995年1月10日
Published Date 1995/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107772
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はじめに
異常な筋緊張を伴った不随意運動を常時随伴しているアテトーゼ型脳性麻痺患者では頸椎の加齢変化ともいえる椎間板の変性,狭小化,骨棘形成といった頸椎症性変化が比較的若年期からみられ,これによる頸椎症性脊髄症,頸椎症性神経根症が,アテトーゼ型脳性麻痺の二次障害として近年問題とされるようになっている1).
この頸椎における変化は頸椎の過剰な運動を誘発する生活環境からもかなり影響を受けると考えられ,脳性麻痺患者の間では従来より“仕事をし過ぎると二次障害が起き易い”と不安の声が出ており,最近では労働との関係でも注目され,その実態調査も行われている2).しかしそのほとんどはアンケート調査などによる自覚症状での検討である.
一方,成人脳性麻痺患者では心理的要素が身体的愁訴に大きく影響し,自覚症状が必ずしも頸椎の変化を反映しているとは言えない.また一般臨床所見においても腱反射,病的反射が脳性麻痺という原疾患によるものなのか,二次障害である頸椎症を表しているのか判断が難しい.
そこで今回われわれは,頸椎症の客観的評価を頸椎MRI所見より診断した.また,生活環境との関係を検討したので報告する.
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