Japanese
English
論述
アテトーゼ型脳性麻痺における環軸椎亜脱臼と脊髄麻痺の成因—特に下位頸椎前彎角と環椎前傾角について
Pathogenesis of Atlanto-axial Subluxation and Myelopathy in Athetoid Cerebral Palsy
大成 克弘
1
,
山田 勝久
1
,
蜂谷 将史
1
,
藤井 英世
1
,
斉藤 裕一
2
,
近藤 総一
2
,
今泉 純
2
,
三橋 孝之
2
,
金 泰久
2
,
金児 英敏
2
,
秋山 典彦
3
Katsuhiro Ohnari
1
1横浜南共済病院整形外科
2横浜市立大学整形外科
3茅ヶ崎市立病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Yokohama Minami Kyosai Hospital
キーワード:
アテトーゼ型脳性麻痺
,
athetoid cerebral palsy
,
環軸椎亜脱臼
,
atlanto-axial subluxation
,
脊髄麻痺
,
myelopathy
Keyword:
アテトーゼ型脳性麻痺
,
athetoid cerebral palsy
,
環軸椎亜脱臼
,
atlanto-axial subluxation
,
脊髄麻痺
,
myelopathy
pp.1257-1263
発行日 1989年11月25日
Published Date 1989/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908220
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抄録:アテトーゼ型脳性麻痺10例を環軸椎亜脱臼による脊髄麻痺群(3例)と非麻痺群(2例),亜脱臼を認めない対照群(5例)の3群に分けてX線学的に比較検討した.環椎歯突起間距離は麻痺群と非麻痺群でそれぞれ平均6.3mm,4.8mmであった.環椎高位の脊椎管最小矢状径は麻痺群,非麻痺群,対照群でそれぞれ平均11.7mm,18.5mm,18.8mmであり麻痺群で著明に小さかった.後屈位(脱臼整復位)の環椎部脊椎管矢状径は麻痺群で平均15.7mmであり他の群より4〜6mm小さかった.後屈位の脊椎管矢状径は生来の矢状径であり,この狭小化が脊髄麻痺発症に関与していると思われた.また前屈位の環椎前傾角は麻痺群,非麻痺群,対照群でそれぞれ平均50.0°,39.0°,28.7°であり,前屈位の下位頸椎前彎角はそれぞれ平均-38°,-38.5°,-24.0°であり両者は負の相関傾向を認めた.環椎前傾角の増大は頭部の前方sliding momentを増し,亜脱臼の成因に関与していると考えられた.
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