特集 重度障害者のリハビリテーション
特集にあたって―重度障害の定義と問題点
大橋 正洋
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター
pp.905-906
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107723
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障害の分類には,視覚,精神,あるいは内部臓器障害といった身体部位別分類がある.一方,機能障害,能力障害,社会的不利といった階層的分類がある.さらに軽度あるいは重度といった障害程度による分類も考えられる.障害の軽度・重度が問題になるのは,新たに発生した障害に,どのような方法で補償するか,あるいはどれだけの金額を補償するかを判定しなければならないときである.あるいは障害が重度であるときに,障害者自身,周囲の人々,医療者,および社会への負担の大きさを判断し,その負担度に応じた対策を講じなければならないときである.負担度からみると,障害者以外の誰に負担がかかるかによって,障害が軽度か重度かの評価が異なる可能性もある.
以上のことを念頭に,本特集は重度障害者のリハビリテーションを主題とした.特集の構成を説明する前に,重度障害の定義を論じることによって特集の意図を説明する.
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