学会印象記
第33回国際パラプレジア学会
井手 睦
1
1産業医科大学リハビリテーション医学教室
pp.799
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107698
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第33回国際パラプレジア学会は5月30日から6月2日まで,神戸国際会議場で開催された.幸いに開催期間中は天候に恵まれ,遠来の客人達も国際港湾都市神戸の昼夜を堪能できたことと思う.
幕開けのセッションは疫学調査が多くを占めた.開発途上国での調査報告が昨年と同様に眼をひき,常に国際社会全体へ注目している本学会の姿勢が感じられた.今回のメイントピックは,1)先進国・開発途上国におけるフォローアップ,2)神経因性膀胱,3)脊椎の運動学,4)性機能,5)褥瘡の予防と治療,の5点であった.筆者は脊髄損傷者の性機能に関心があり,学会前からどのような演題が出るか楽しみであった.この分野では日本が立ち遅れているのは多くの臨床家が感じている通りで,国内で開催されたにもかかわらず,8演題中国内からの発表は1題であった.予想通り泌尿器科的なアプローチに関する演題が多かったが,リハビリテーション科医としての関わりがもっと必要ではないかと感じられた.
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