Japanese
English
研究と報告
視覚障害福祉の問題解決を志向するインターネットの利用実験
An Experiment on the Internet Use toward Problem-Solving in Social Welfare for the Visually Impaired.
小林 巌
1
,
小田 浩一
2
,
中野 泰志
3
,
中村 透
4
,
布川 博士
5
,
小田島 明
6
,
加藤 晴喜
7
,
田中 恵津子
8
,
大場 純一
9
,
川嶋 英嗣
10
,
岩本 正敏
11
,
佐藤 究
1
,
宮崎 正俊
1
Iwao Kobayashi
1
,
Kiwamu Satoh
1
,
Masatoshi Miyazaki
1
1東北大学大学院情報科学研究科
2東京女子大学現代文化学部
3慶応義塾大学経済学部
4社会福祉法人日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンター行動訓練所
5宮城教育大学理科教育研究施設
6国立身体障害者リハビリテーションセンター指導課
7学校法人珪山学園日本医療福祉専門学校福祉技術学科
8杏林大学医学部眼科学教室
9横浜市総合リハビリテーションセンター生活訓練係
10筑波大学大学院心身障害学研究科
11東北学院大学工学部
1Graduate School of Information Sciences, Tohoku University
キーワード:
インターネット
,
視覚障害
,
福祉情報システム
Keyword:
インターネット
,
視覚障害
,
福祉情報システム
pp.1287-1291
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108528
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
福祉における情報化は,「福祉情報を十分に流通・活用して地域福祉システムを整備し,ニーズ保有者や住民の生活支援を図る総体の取り組み」である1)とされ,その重要性が福祉やリハビリテーションに携わる多くの関係者に指摘されているにもかかわらず,導入が遅れているといわれている2).
視覚障害に関係した情報資源の流通も,その例に漏れない.視覚に障害を有する人も,彼らに何らかの援助を与えようとする人も,情報の不足によって問題解決がスムーズにいかないことを痛感している,情報不足の主な原因は,視覚障害者が社会的少数者であることと,個別で専門的なニーズに対応できる人材の散在であり,それぞれが十 1分な情報流通のメディアを持てなかったことから生じている3).
こうした状況を改善する手段として,インターネットのような高度情報ネットワークの持つ技術.が関係者の話題を集めている.保健・医療・福祉の分野において,インターネットを活用するための検討が進められているが4-7),インターネットを視覚障害者の日常生活を支援するために検討する全国レベルの試みはなされていない.
そこで本研究では,インターネットの電子メールを用いてディスカッションを行うための情報システムを構築し,その効果を検討することを目的とする.具体的には,構築したシステムを,実際に視覚障害に関する諸問題の解決を目的とする全国組織の活動を促進するために適用し,利用実験を行った.本論文ではこの実験の結果について報告する.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.