Sweet Spot 神話に見るリハビリテーション
「天照大神と天の岩戸」―精神障害者のリハビリテーション過程を成立させる条件
村田 信男
1
1東京都中部総合精神保健センター
pp.993
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107494
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天照大神という女性は,感情の起伏の激しい「お天気屋さん」だったようだ.まるで太陽のように明るく光り輝き,周りの人達に暖かく接していたかと思うと,やがて次第に暗くなるというような変化が周期的に起きていたらしい.彼女が太陽と同一視されたのも日の出と日没の周期性に古人がなぞらえてのことであろう.
その彼女が,弟のスサノオノ命とのトラブルがもとで,天の岩戸に自ら閉じこもるという事件が生じ,周りの人々は突然のことにあわてふためいた.日の出と日没のような周期性のあることは周りの人達も長年接してきて知っていたからそれは「自然なこと」として受けとめていたのだが.まるで皆既日食のような突然の自閉による暗黒の世界の出現にはおおいに驚いたらしい.
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