特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!
【System 1 電光石火の感染症Snap Diagnosis】
天の采配
朴澤 憲和
1,2
1瀬戸内徳洲会病院総合内科
2加計呂麻徳洲会診療所
キーワード:
日本紅斑熱
,
発熱
,
皮疹
,
刺し口
,
野外活動歴
,
好発地域
Keyword:
日本紅斑熱
,
発熱
,
皮疹
,
刺し口
,
野外活動歴
,
好発地域
pp.711-714
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103302
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Case
患者:生来健康なADL自立の82歳,女性.
現病歴:季節は初春.来院4日前からの全身倦怠感と発熱,当日朝,家族に全身の皮疹を指摘され救急受診.皮疹の自覚,瘙痒感,疼痛は認めず.頭痛以外に随伴症状なし.身体診察では体温39.3℃で,全身に皮疹を認めるほかは異常を認めず.血液検査で血小板減少,肝胆道系酵素上昇,炎症反応高値,腎機能障害を認め,尿検査では蛋白陽性,潜血陽性であった.
問診:詳細に問診すると山の麓にある築50年以上の和式住宅で生活し,毎日畑で農作業を行うことが判明した.
診断・治療:病歴,診察所見から日本紅斑熱およびツツガムシ病を考え,血清抗体,血清PCRおよび刺し口PCRを提出し,第2病日より抗菌薬(ミノサイクリン)を開始した.
経過:治療開始後,全身状態は改善した.第10病日に血清PCR,刺し口PCRとも陽性で,日本紅斑熱と診断した.経過良好につき第13病日に退院した(急性期の血清抗体は陰性だが4週後のペア血清でIgM,IgGとも640倍への上昇を確認した.またツツガムシ病の検査は陰性であった).
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