Japanese
English
特集 神経心理障害とリハビリテーション
歩行失行
Rehabilitative Management of Gait Apraxia.
横山 和正
1
,
大西 次郎
1
,
長谷川 千洋
2
,
平山 昌男
3
Kazumasa Yokoyama
1
,
Jiro Onishi
1
,
Chihiro Hasegawa
2
,
Masao Hirayama
3
1兵庫県立総合リハビリテーションセンター神経内科
2兵庫県立総合リハビリテーションセンター臨床心理室
3兵庫県立総合リハビリテーションセンターリハビリテーション部
1Neurology Service, Hyogo Prefectural Rehabilitation Center
2Section of Clinical Psychology, Hyogo Prefectural Rehabilitation Center
3Rehabilitation Service, Hyogo Prefectural Rehabilitation Center
キーワード:
歩行失行
,
リハビリテーション
,
多発性脳梗塞
Keyword:
歩行失行
,
リハビリテーション
,
多発性脳梗塞
pp.649-654
発行日 1993年8月10日
Published Date 1993/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107417
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はじめに
歩行失行とは,歩行障害の原因となるような運動麻痺,運動失調,知覚障害は認めないにもかかわらず,歩行開始が困難で,例え歩き始めても摺り足で小刻みにしか進めず,重篤な場合は足底が糊付けされたように足を進めなくなってしまう状態であり,1926年,GerstmannとSchilderによって初めて記載された1).臥位,坐位での体幹と両下肢の動きは,症例によって差はあるものの,歩行時と比べて良好である.このように,体幹と両下肢の随意性が立位歩行時と他の場合とで乖離が見られる点や後述するように特定の条件下で基本的な歩行動作に近いものを引き出せることから,歩行失行には高次神経機能の関与が想定されるが,自験例と文献症例を通じて歩行失行の発現機序について考察し,リハビリテーション上の留意点を述べたい.
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