Japanese
English
調査
リハビリテーション専門病院における歯科的需要について
Need of Dental Practice at Rehabilitation Hospitals.
植田 耕一郎
1
,
江澤 敏光
1
,
中澤 清
1
,
溝越 啓子
1
,
岡安 志律子
1
,
才藤 栄一
2
,
林 泰史
2
,
古賀 良平
2
,
大竹 邦明
3
Koichiro Ueda
1
,
Toshimitsu Ezawa
1
,
Kiyoshi Nakazawa
1
,
Keiko Mizokoshi
1
,
Shizuko Okayasu
1
,
Eiichi Saitoh
2
,
Yasushi Hayashi
2
,
Ryohei Koga
2
,
Kuniaki Ootake
3
1東京都リハビリテーション病院歯科
2東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
3東京都立心身障害者口腔保健センター
1Dentistry, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
3Tokyo Metropolitan Center for Oral Health in Dentally Handicapped Patients
キーワード:
リハビリテーション歯科医療
,
未処置歯数
,
重複障害
Keyword:
リハビリテーション歯科医療
,
未処置歯数
,
重複障害
pp.1241-1246
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107251
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はじめに
21世紀初頭のわが国の老齢人口は総人口の16.3%になると推定されている1).加えて,疾病構造の多様化,複雑化に伴い,歯科医療の面からも高齢者への対応がせまられるようになった.筆者のうち,植田は高齢者歯科医療の一環として歯科在宅治療を行ってきたが2),その中で歯科医学だけではなく,他の分野をも包含するような理念の必要があると痛感するようになった.すなわち,一口腔一単位としてきた従来の歯科医学から,一個体一単位としての見解を持ち,リハビリテーション医学の理念を導入せざるを得ないと考えるようになった.
以上の状況下で,1990年6月,東京都リハビリテーション病院開院に伴う歯科開設に関与した.そして,当病院の歯科的現実に触れた時,そこには手つかずで歯科医療から見放されてきた患者達の口腔内状況があった.また,そのような患者だからこそ,今まで歯科医療の恩恵を受けなかったことからくる歯科に対する期待をより以上に持っているという現実もあった.
日本の代表的な歯科疾患の調査に厚生省の1987年歯科疾患実態調査があるが3),これは日本人の各年代における標準的な歯科疾患状況を示したものである.一方,障害者に対する調査は,実施困難なことが多く有用な報告はあまり見られない4-6).そこで,今回筆者らは,当病院歯科を受診した患者に対して,後述する項目についての歯科的な実態調査を行った.また当病院歯科における日常の典型的症例パターンを呈示し,これらの口腔内状況がいかに一般医科の患者達の間で切実な問題となっているかを,リハビリテーション医療に携わる医師を初め関係者に御理解頂きたいと思う.
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