巻頭言
フレッシュマン
豊倉 穣
1
1東海大学医学部リハビリテーション医学教室
pp.1207
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107243
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本学では,医学部の学生にチューター制度を取り入れている.新入生の場合,数名の学生で構成されるグループをそれぞれ2名の教員が担当し毎週講義を行うものである.この教員は同時に,学生の親代わり的存在となって種々の悩みごと(学問だけでなく友人関係や恋愛問題も含めて)の相談にも乗る.私も昨年より1年生を相手に奮闘している.
毎春,チューターの仕事始めは,群馬県嬬恋村で行われる医学部新入生を対象とした2泊3日の研修会に参加し,彼らと生活を共にすることである.教員と学生はここで初めてお互いに紹介され,各班に分かれての討論会が開かれる.「医学」をテーマにすることが多く,「なぜ,医学部に入学したのか?」「将来,どんな医者になりたいのか?」などお決まりの質問に始まって徐々に話題が展開していく.彼らは「医」という未知の科学に敬虔の念を払いながらも,自分たちが担うべき役割をまだ知らない.医学への第一歩をやっと踏みだそうとしている彼らにとっては当然のことであろう.
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