Japanese
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特集 大腿骨頸部骨折の治療
高齢者における大腿骨頸部骨折の治療上の問題点
The Problems of Treatment for Femoral Neck Fracture of the Elderly.
波多野 泉
1
,
小川 亮惠
1
Izumi Hatano
1
,
Ryokei Ogawa
1
1関西医科大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kansai Medical University
キーワード:
高齢者
,
大腿骨頸部骨折
Keyword:
高齢者
,
大腿骨頸部骨折
pp.23-27
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106981
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はじめに
今世紀半ばまで高齢者の大腿骨頸部骨折の治療には長期臥床を要し,そのための合併症により不幸な帰転をとることも少なくはなかった.しかし,現在では人工生体材料の進歩や,内科,麻酔科的な全身管理の向上などが相俟って,本骨折の治療の目的を,受傷前の日常生活動作の再獲得にまで高め上げた.これらの進歩は本骨折の予後を飛躍的に向上させたが,同時に治療のprotocolを複雑にし,初診から治癒までの行程中に多くのpitfallを残している.本骨折の治療をゴールまで順調に進めるには,高齢者という特殊性と,頸部骨折という特殊性の両者をよく理解することが肝要である.
本稿ではまずこれに触れ,初診時から後療法のゴールに至るまでに,リハビリテーション医が念頭におくべき問題点を述べてみたい.
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