書評
水野昇・岩堀修明・中村泰尚 訳―図説 中枢神経系第2版
柳沢 信夫
1
1信州大学医学部第3内科
pp.1172
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106966
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神経系の臨床家にとって優れた解剖学書は常に座右におく大切なものである.特に近年MRI等の画像技術の進歩により中枢神経の詳細な構造の知識が研修医にも求められ,また大脳高次機能や運動機能,さらに自律神経機能の中枢の局在や線維連絡が神経症状の理解や臨床研究に一層必要になった状況では,マクロの構造,血管支配,線維連絡,臨床と病理の対応が最新の知見に基づいて整理された教科書の必要度が高い.古くはBrodal,Carpenterの解剖学書,Rasmussenの神経経路の単行書が各々の時代の要求にマッチしたものであった.現在はNieawenhuysらの本書が最も優れた解剖学書として高い評価を得てきている.今回,本文と図版数を1.5~2.5倍に増やし,新たなカラー頁を加え,さらに1,500点以上の文献を収載して改訂された第2版(原著第3版)は,その評価を一層高める素晴らしい教科書となった.
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