書評
植村研一―うまい英語で医学論文を書くコツ
亀山 正邦
1
1住友病院
pp.811
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106883
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
植村研一教授「うまい英語で医学論文を書くコツ」(医学書院,1991年)を読んだ.いつもの氏の軽妙な語り口で,一気に読ませられた感じである.しかし,氏の40年以上にわたる英語歴の重みが各頁に満ちている.
うまい英語,気持ちのいい英文(comfortable English)の条件として,論点が簡潔かつ明快に述べられていることが重要である.氏の英文誌編集や英文校正の長年の経験をもとに,米英人に通じる英文の特徴や内容が,詳細に述べられている.その中の要点をとりあげてみると,①日本語の医学用語には動詞がない.名詞に「する」をつけて動詞化しているのが日本語であるが,英語の動詞に習熟することが必要である.②受動態と能動態をうまく使い分ける.byを使ってまで行為者をいう必要があるなら,最初から能動態を使う.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.