Japanese
English
講座 日常生活動作の再検討(4)
起居動作―片麻痺患者の姿勢の自由度
Bed Mobility and Transfers: Degree of freedom of posture in hemiplegia.
服部 拓自
1
,
山中 良二
1
,
小塩 明子
1
,
大田 仁史
1
Takuji Hattori
1
,
Ryoji Yamanaka
1
,
Akiko Koshio
1
,
Hitoshi Ota
1
1伊豆逓信病院理学診療科
1Department of Rehabilitation Medicine, Izuteishin Hospital
キーワード:
起居動作
,
姿勢
,
日常生活作(ADL)
Keyword:
起居動作
,
姿勢
,
日常生活作(ADL)
pp.463-466
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106805
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はじめに
人の日常動作は,起居・移乗・移動から成り立っている.これらは生活環境や文化的な背景によって,必要とされるものが異なってはいる.
障害をもてば,より容易な動作が求められるのは当然である.動作上難しければ,道具を工夫したり,家屋を改造したりして,相対的に動作が楽になるように考える.
ただ,しかし,動作が楽にできる,ひいてはADLが早く自立できるということで,洋式のADLが自立すればよしとしてしまうには少々疑問がある.なぜなら,日常生活は楽だが,かえってそれが患者の生活を狭い範囲に押しとどめてしまう危険性があるからである,もとより我々の生活は,いわゆるADLの中にとどまってしまうようなものではない.障害をもった人たちもまたそうであるはずである.
動作的に楽な洋式の生活が,日本の文化様式に馴じまないというジレンマを治療者側にあるものは,正面から受けとめる必要があると思う.
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