Japanese
English
症例報告
変形性筋ジストニアの1例―その表面筋電図学的検討および歩行分析
A Case of Dystonia Musculorum Deformas: Analysis by surface electromyography and goniometry.
園田 茂
1,2
,
里宇 明元
3
,
浅野 賢
3
,
熊井 初穂
3
,
桜井 真由美
3
,
新田 富士子
3
,
儀武 三郎
4
,
千野 直一
2
Shigeru Sonoda
1,2
,
Meigen Liu
3
,
Ken Asano
3
,
Hatsuho Kumai
3
,
Mayumi Sakurai
3
,
Fujiko Nitta
3
,
Saburou Yoshitake
4
,
Naoichi Chino
2
1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
2慶応義塾大学医学部リハビリテーション科
3国立療養所東埼玉病院リハビリテーション科
4国立療養所東埼玉病院内科
1Keio Univevsity Tsukigase Rehabilitation Center
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
3Department of Rehabilitation Medicine, Higashisaitama National Hospital
4Department of Internal Medicine, Higashisaitama National Hospital
キーワード:
ジストニア
,
表面筋電図
,
歩行分析
Keyword:
ジストニア
,
表面筋電図
,
歩行分析
pp.449-453
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106802
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まえがき
変形性筋ジストニアはジストニアをきたす疾患の中で原因不明のものであり,捻転ジストニアとも呼ばれる.Herz1)はジストニアを頭部,体幹,四肢の遅い,持続的なねじれ,回転運動と定義している.Zemanら2)によれば,数百症例の変形性筋ジストニアが報告されており,常染色体性遺伝を示すことが多く,片手または片足の引っ張られるような感じから発症する場合が多い.経過は多様であるが,多くは緩徐進行性である.
この疾患に対するリハビリテーションについての検討はあまりなされておらず,McGuireらの短下肢装具による歩行状態の改善3)やバイオフィードバックの効果4,5)が報告されているにすぎない.効果的な薬物治療の報告も少ない6,7).この理由の一つとして,ジストニアの評価に客観性が少ないため,ジストニアへの治療効果を見いだせず,報告が少なくなっていることがあげられよう.
我々は疾患の経過および治療効果の客観的評価のため,軽症の変形性筋ジストニアの1例に,上肢表面筋電図検査,裸足および装具着用時の歩行分析を行い,若干の知見を得たので報告する.
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