視座
整形外科理学療法とリハビリテーション
藤野 圭司
1
1藤野整形外科医院
pp.575-576
発行日 2001年5月25日
Published Date 2001/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903273
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近年,整形外科領域でリハビリテーションと理学療法という言葉が混同して(あるいは同義語として)使われるようになり,その違いが曖昧となってきた.むしろ整形外科においては,本来の『理学療法』という言葉が消えつつあるように思える.その原因は,リハビリテーションという言葉が整形外科の中で充分に咀嚼されないまま安易に使われ過ぎるようになったためではないだろうか.日常の診療の中で,簡単に「リハビリをしましょう」などと言うが,その中の多くは単なる物理療法であったりする.
1989(平成元)年までの診療報酬点数表では「理学療法料」という項目があり,その中に「運動療法」と「消炎鎮痛を目的とする理学療法」という項があった.ところが,1990(平成2)年には「消炎鎮痛を目的とする理学療法」が整形外科的処置となり,理学療法より外された.1992(平成4)年には「理学療法料」という項目がなくなり,「リハビリテーション料」となり,その中に「理学療法」が入り,さらに1996(平成8)年には理学診療科の標榜が廃止され,リハビリテーション科に統一された.これらの一連の流れは,整形外科医がリハビリテーションと理学療法の違いを明確にしないまま,放置してきたことと無縁ではなかったと思われる.
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